受け継がれる「大山酒」

酒造りのまち大山の歴史

酒蔵  江戸時代、大山は「天領」と呼ばれる土地であり、深い歴史をもつ町です。
当時の大山には周辺の農村と商売する在郷町と浜街道の宿場町という二つの顔がありました。その中でも最大の特徴は移出用の酒を作る「酒造の町」であるということです。江戸時代から幕末・明治にかけて、大山の特徴である各種手工業業者と密接に連携し、発展してきた酒造業は全国有数の「酒どころ」と呼ばれるまでに成長しました。
 当時の大山では、町全体で「大山酒」という統一的な名称で酒造していました。これは販売戦略の一つであり、大山全体で信頼を基盤として情報と技術を高いレベルで共有していたからに他なりません。
 コメ作りの地、庄内。豊富な伏流水、作り手たちのたゆまぬ努力が“大山の酒”を守ってきました。しかし、時代の流れに呑まれ全盛期には40軒もの酒蔵がありましたが、現在では「出羽ノ雪」(渡会本店)、「栄光冨士」(冨士酒造)、「大山」(加藤嘉八郎酒造)、「羽前白梅」(羽根田酒造)の4軒だけになってしまいました。

大山新酒・酒蔵まつり  第29回 (令和6年2月)開催のお知らせ>>

大山新酒・酒蔵まつり 米どころ庄内
稲刈りが落ちつくと、冬の訪れを間近に白鳥が平野へと飛来します。冷たく透き通った空気が広がる冬期間、酒蔵では新酒の仕込みの最盛期を迎えます。
毎年2月、新酒ができるこの時期に鶴岡市大山を代表する醸造業を広く紹介し、作りたての新酒を多くの方々から味わっていただきと「大山新酒・酒蔵まつり」を平成8年から開催しております。大山新酒・酒蔵まつり実行委員会は、日本酒の消費拡大を図り、酒づくりのまち大山をPRすることにより地域振興の一助とすることも目的としております。
 「酒蔵めぐり」は大山の町を歩きながら渡会本店、冨士酒造、加藤嘉八郎酒造、羽根田酒造、それぞれで自慢の造りたて銘酒を堪能できます。(酒蔵めぐり券が必要です)
また同時開催の「大山新酒を楽しむ会」では各蔵より数十種類の銘酒と小料理で、お友達やお仲間とゆっくりと新酒の飲み比べを楽しめます。(入場券が必要です)
前回第25回(令和2年2月)の開催内容はこちらより>>

大山の酒神さかがみ神社じんじゃ『松尾神社』

松尾神社由緒
 創建は不明。天生年間(1572~92)京都松尾大社より勧請されたと伝えられています。
主神は大山咋命(おおやまくいのみこと)、酒造りの神 商売繁盛の神 食べ物の神として崇敬されております。
松尾神社では毎年7月15日に例祭が行われており、酒造りのまち大山の繁栄と携わる人々の健康と安全を守り続けています。
現社殿は安政2年(1855)9月に再建。その後随時改修され、平成28年に大改修が実施されました。