明確な創建年代についての記録は残念ながら見つかってない。
祭神は、当初は積羽八重事代主命と天津羽々命を祀っていたが、中古になり、竜田彦大神・竜田姫大神を勧請。
武藤氏がこの出羽国の地頭となってから大物忌大神と月山大神を勧請し合計六注の大神を祀った。
主祭神の事代主命は国土開発、酒造、漁業の神とされている。
武藤氏没後、戦国の世城主は移り変わり、最上義光から1万2千石を授かった大山城主下次右エ門実秀が椙尾神社の参道入口に控え柱のある石鳥居を寄進した。
この石鳥居は、通称四足鳥居で芸術的価値も高く、県有形文化財となっている。
椙尾神社では、6月30日に水無月大祓(みなづきおおはらい)が行われており地元では「みなづき」と呼ばれています。
大山周辺の椙尾神社氏子に「みなづき」が近くなると事前に人形(ひとがた)が配布され、この人形に息を吹きかけたり、身に着けているものを撫でるなどして穢れを祓い、家内安全・身体堅固・交通安全・無病息災の祈りを託します。
当日、神輿行列が朝から氏子町内を廻り人形を預かりお祓いを行い、夕方にはかつて杜があったとされる湯野浜宮沢海岸の石碑(潮掛岩)の前に祭壇が設けられ、大祓式が催行されます。
人形は狐包(こもつつみ)に納められ、船で宮沢の沖へ運ばれ船上から流されます。
この大祓の伝統は200年以上の歴史があると言われており、全国で行われる大祓の中で椙尾神社水無月の大祓 松明行列は類いまれなる神事です。